父親の熱いノック

小学6年生まで父親と私は自宅近くの私営グラウンドでキャッチボールをやり、多いときは毎週末一緒だった記憶があります。 キャッチボールをしている間、父親と会話はほとんどありませんでしたが、投げているうちに父親のテンションが上がってしまうときがありました。 特に記憶に残っているのは、10才のときのキャッチボールです。

自宅近くの私営グラウンドでキャッチボールを楽しんでいたある日「忘れ物をしたからここで待って」と言い残し何かを取りに帰りました。 しばらくして戻ってきた父親の手には自宅から持ってきたと思われる金属バットが握られていました。 

「よし、外野のポジションにつけ!」と言われ外野の芝生の位置についた私に「ほら、もっと走れ!」と檄を飛ばすほど厳しい父親のノックが始まりました。 外野ノックが続く中「これから5本連続で捕球できたら帰りにアイスクリームおごってやるぞ!」と言われ、私は必死になって走り、見事5球連続の捕球に成功しました。 

「人間、必死になればできないことなどないのだよ」と言ってくれた父親の言葉を胸に刻みました。 帰り道グラウンドのそばにあるお店で、私はアイスクリームをご馳走してもらいました。

父親と一緒に野球ができたことが何より嬉しかった1日の思い出です。